成人期注意欠陥多動障害（成人期ADHD）｜小平市の心療内科・精神科 小平仲町クリニック

大人のADHDでは、注意の持続が困難だったり、細部に注意がはらえないため、仕事や家庭（家事など）でのケアレスミスや物忘れが多くなったりします。
また、約束の時間に遅れる、約束そのものを忘れる、締め切りに間に合わせられない、などの症状も見られます。

子どものときのような著しい多動性や衝動性は目立たなくなりますが、待たされた時などにイライラして落ち着かなかったり、人の話を最後まで聞くことが出来ず、さえぎってまで一方的に話をしたりする態度などとなって現れたりします。

ADHDの大人は、本人の人間性や知能などに問題は無いのに、社会適応性に乏しく、人間関係の形成が困難になったりして、本人も悩みがちです。そのため自尊心が低下し、うつ病や不安障害になるケースが少なくありません。

ADHDの主な原因として挙げられるのが、脳の構造や機能に関する問題です。
実行機能（自分の注意や行動をコントロールする脳のはたらき）や、脳内神経伝達物質（脳内の神経細胞の間で情報をやりとりする物質）のはたらきに障害が起きているとする説が知られていますが、詳しい原因は、現在のところわかっていません。

ADHDの治療は、環境調整などの心理社会的治療から始めます。心理社会的治療の効果や、周囲との状況から判断し、必要性があれば、薬物による治療を組み合わせていきます。
ADHDの薬物療法では、アトモキセチンとメチルフェニデートという薬が主に使われます。いずれにも、脳内神経伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミンの不足を改善する作用があります。