不眠症

不眠症について
Insomnia

「不眠症」とは

私たちは、人生の3分の1を眠って過ごします。
「寝つきが悪い」「夜中や早朝に目が覚める」――こうした睡眠トラブルのために、日常生活に支障をきたす状態になり、しかもそれが慢性的に続くようなら、それは不眠症かも知れません。
睡眠には個人差があります。常々、ナポレオンは3時間の睡眠、アインシュタインは10時間の睡眠をとっていたとされています。睡眠時間と死亡危険率を調査した大規模研究(Krepke DF. 2002)では、長生きするためには6時間半~7時間半の睡眠が必要とされています。しかし、7時間以上眠っているにもかかわらず「眠れない」と感じる方がいる一方で、3~4時間の睡眠でもまったく問題の無い方もいます。
最も身近な生活習慣である睡眠について、私たちはもっと大切にしなくてはいけません。

「睡眠不足」と「不眠症」の違い

「睡眠不足」とは、単に床に入っている時間が少ないことによる眠気です。「不眠症」とは、充分時間入床していても眠れないために「日中の調子が悪い、だるい、イライラ、能率が上がらない」といった日常生活に支障を来します。
そのため、客観的に何時間眠っていようと、ご本人が安眠・快眠出来ないと自覚する状態が続けば、不眠症と診断することになります。

「不眠症」の原因

現在、日本では成人の約5人に1人は睡眠に関するなんらかの問題を抱えていると言われます。とくに、高齢者では徐波睡眠(「眠る脳」大脳~中脳の休息)が減少することで睡眠の質が低下してしまいます。 不眠症の原因には、「環境要因」「生理的要因」「心理的要因」「生活習慣的要因」など、さまざまなものがありますが、最近になって不眠症を訴える方が多くなっている背景には、人口の高齢化、ライフスタイルの多様化、24時間社会における生活リズムの乱れ、ストレスなどの問題が横たわっているようです。
結果として、産業事故、うつ病や生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症)の発症に繋がってしますこともあります。

現代は、あらゆる環境(家庭や学校、職場など)にストレスが溢れており、そうしたストレスが要因となって不眠を訴える方が多く見受けられます。

主な要因は、以下の通りです。

1) 身体的疾患に伴うもの:中枢神経系疾患、脳器質性疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、皮膚疾患、ムズムズ脚症候群、更年期など
2) 生理学的不眠:時差ボケ、交代勤務、短期間入院、不適切な睡眠衛生(入眠前の嗜好品、入眠前の過剰なネットの利用や携帯・スマートフォンの操作)など
3) 心理学的不眠:精神的ストレス、喪失体験、恐怖体験など
4) 精神疾患に伴うもの: うつ病、統合失調症など
5) 薬理学的不眠:アルコール、向精神薬、抗パーキンソン薬、降圧薬、ステロイド、インターフェロンなど

根本的な原因を探ることも重要

不眠症はけっして珍しい疾患ではなく、誰もがなる可能性があります。また、うつ病など他の精神疾患の症状の一つとして不眠症が現れてくる場合もありますので、睡眠薬で解決するだけでなく、併せて根本的な原因を探ることも重要です。

不眠症の種類

不眠症は、眠れない時間帯を基準として、入眠障害・中途覚醒・熟眠障害・早朝覚醒の4つに分けられます。

● 入眠障害

寝つきが悪く、なかなか眠れないタイプ(30分~1時間以上)で、心配ごとやストレスなどによって起こりやすくなります。ただし、一度寝ついてしまえば朝まで眠れることが多いものです。入眠障害は、不眠症の中では一番よく見られるタイプです。

● 中途覚醒

寝つきは良いものの、寝ている途中にトイレなどで起きてしまうと、その後眠れなくなってしまい、そのために熟睡感が得られないタイプです。

● 熟眠障害

十分な睡眠時間をとっていても眠りが浅く、目覚めたときに“熟睡感”が乏しいタイプです。高齢者や神経質な人に多く見られます。

● 早朝覚醒

寝つきは良く、すぐ眠れるものの、朝早く目が覚めると、そのまま眠れなくなってしまうタイプです。うつ病の患者さんや高齢者に多く見られます。

睡眠禁止帯について

健康な人の眠気のピークは、一般的に15〜16時頃と22時頃とされています。その直前の19~21時頃は、1日のうちで最も眠りにくい時間帯とされ「睡眠禁止帯」と呼ばれています。この時間帯は、深睡眠を誘発させるホルモンである「メラトニン」がまだ脳の松果体から分泌される時刻ではありません。つまり、「やることともないし、なんだか早く眠くなってきたから」と21時前に眠ろうとすると、必ずしも質の良い睡眠がとれるとは限りません。
脳を休めるための深睡眠は入眠後の2~3時間に集中します。よって、「メラトニン」の分泌が始まり、深睡眠に移行しやすいようにするためには、22時~24時に入床し、「メラトニン」の分泌のピークとなる深夜2時前には睡眠に入っていることが理想です。
さらに、普段の睡眠不足の疲れを癒やそうと、休日になると昼過ぎまで寝てしまう方がいらっしゃいます。脳が覚醒状態に近いレム睡眠は約90分毎に出現し、それは朝方に増加します。たとえ、10時間の睡眠をとったとしても、最後の数時間は浅い眠りを繰り返すのみで、単純に「5時間睡眠の2倍の効果がある」という訳ではないのです。

不眠症の治療

不眠症は、その原因により治療法も変わってきますが、生活習慣の改善と薬物療法が中心になります。いずれにしましても、不眠の原因である心の病気、身体的疾患、不適切な睡眠環境などの改善に取り組むことが大切です。

● 非薬物療法

夜間の体温低下とともに睡眠は開始され、明け方から体温が上昇してくると覚醒がやって来ます。質の良い睡眠、つまり深睡眠を誘発するためには、入眠前に深部体温を低下させると良いとされています。

そのためには、午前中に太陽を浴びて体内時間を設定する、有酸素運動で代謝量を増やす、室温、部屋の明るさなどを調節することにより睡眠が得られやすい環境にする、音楽や読書などリラックス出来る時間をつくる、睡眠時間の4時間くらい前に食事を済ませる、入浴は入床の1~2時間前にぬる湯ですませる、ストレッチで体の表面の血行を良くして熱を放散されやすくして深部体温を低下させることが良い睡眠につながるとされています。

● 薬物療法

不眠のタイプによって、睡眠導入剤のタイプもそれぞれ変わってきます。寝つきが悪い、途中で起きてしまう、早くに目が覚めてしまう、などの症状に応じて、相応しい睡眠薬が処方されます。また、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、そして、時には漢方薬なども使用されることがあります。

汎用されているベンゾジアゼピン系睡眠薬では、副作用として身体依存性、精神依存性、多幸感の問題が指摘されています(Nutt D.2007)。とくに、依存症は、長期間、高用量、短期作用型、また力価が強い場合に起こりやすくなります。服用していた睡眠薬をいっぺんに中止すると、リバウンドで不眠が悪化することがあります(反跳性不眠)。最近ではこうした問題を緩和した新世代の睡眠薬が上市されてきました。医師と相談しながら適切な薬を選んでいきましょう。

最後に、睡眠薬はお酒と一緒に飲んではいけません。睡眠薬の効果が強まりすぎて、呼吸抑制などの危険が生じます。睡眠薬を服用したら、30分以内には寝床につくようにしましょう。

睡眠薬の減量・中止に関しては、医師の指示に従いながら、ゆっくりとやめるようにしましょう。

医院概要
About clinic

小平市の心療内科・精神科

医療法人社団 野苺会 小平仲町クリニック

診療内容
心療内科・精神科/精神保健相談・睡眠相談/もの忘れ相談

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