認知症

認知症について
About Dementia

認知症の現状 

認知症の患者数は、現在、65歳以上では8人に1人、75歳以上では5人に1人とされています。これは、2002年時点の149万人から10年間で2倍に増加したことによります。また、予備軍も厚労省研究班推計では400万人いるとされています。

"もの忘れ"が気になったら一度受診を 

認知症とは、正常にはたらいていた脳の機能が低下し、記憶や思考への影響が見られる病気です。認知機能とは、記憶、注意の集中、計画を立てたり、判断したりする能力のことです。健康な人は、それとは意識せずにこの認知機能を働かせていいます。すなわち、認知機能なくしては社会生活を営むことができなくなる訳です。

認知機能障害の低下は、記憶する力が低下すると、物事を記憶したり判断したりする能力や、時間や場所・人などを認知する能力が低下するため、生活上の支障が出てきます。

今までやれていたことが急に出来なくなった、通い慣れているはずの道がわからなくなった、大切な約束を忘れてしまった、同じことを何度も聞いたりするようになった――こうした“もの忘れ”には単なる加齢による場合と認知症の初期段階の場合とがありますので、一度受診なさるようお勧めいたします。

こんな症状の方はご相談ください

  •  ものの名前が思い出せない
  •  しまい忘れや置き忘れが多い
  •  財布やクレジットカードなど、大切なものをよく失くすようになった

通常の「もの忘れ」との相違

「昨日の夕食は何を食べたんだっけ?」に対して、メニューが思い出せないAさんがいます。しかし、「スーパーで買ったでしょ」とヒントを与えることで、「魚を食べましたね」と思い出すことが出来ました。このように一部の記憶をその場で思い出せないものの、きっかけが有れば思い出すことができれば通常の「もの忘れ」です。

一方、「私、昨日の夕食に魚なんて食べていませんけど」とBさんはヒントを与えても譲りません。このように、記憶を思い出せないだけでなく、きっかけがあっても思い出せない、つまり明瞭に記憶されていない場合は要注意の「もの忘れ」です。

「認知症」のもの忘れ

ご家族のこんな症状にお気づきの方はご相談ください

  •  時間や場所の感覚が不確かになってきた
  •  何度も同じことを言ったり、聞いたりする
  •  慣れている場所なのに、道に迷った
  •  薬の管理が出来なくなった
  •  以前好きだったことや、趣味に対する興味が薄れた
  •  鍋を焦がしたり、水道を閉め忘れたりが目立つようになった
  •  料理のレパートリーが極端に減り、同じ料理ばかり作るようになった
  •  以前より怒りっぽくなった
  •  財布を盗まれたと言って騒ぐことがある
  •  映画やドラマの内容を理解出来なくなった

行動・心理症状(BPSD)

本人がもともと持っている性格や環境、人間関係などさまざまな要因がからみ、不安・焦燥、うつ状態、幻覚・妄想、徘徊、興奮・暴力、不潔行為など日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こってきます。この症状を「行動・心理症状(BPSD)と呼んでいます。認知症の中核症状を本人が自覚することにより、やる気や自信を喪失したり、暴言や暴力を振るってしまうなどの具体的な混乱を起こす行動・心理症状が出てきます。また、薬の副作用、不適切な環境やケアも行動・心理症状の原因になり得ます。

中核症状が進行していると、行動・心理症状も同じように進行するわけではなく、中核症状が重くても、行動・心理症状が軽い場合もあり、また、その逆もありえます。本人をじっくり観察して原因を見つけ出し、解決することが、行動・心理症状を緩和する方法の一つです。

血管性認知症

血管性認知症は脳血管障害によって生じる認知症です。血管性認知症の場合は脳卒中発作後に急性ないし亜急性に発症したり、卒中発作の反復に伴って階段状に症状が悪化することが特徴とされます。しかし、ビンスワンガー型白質脳症や多発梗塞性認知症の場合、卒中発作が明らかではなく徐々に進行する場合があるので注意が必要です。

血管性認知症を強く疑う臨床症状としては、仮性球麻痺による構語障害や嚥下障害、片麻痺、初期からみられる尿失禁、すくみ足や小刻み歩行などの歩行障害、深部腱反射亢進や病的反射などの神経症状があげられます。

病変の広がりから、①「広範な病変あるいは多発性病変」と②「局在性病変」に大別されます。

①では、血栓性あるいは塞栓性の大梗塞や多発性の皮質梗塞、多発性の皮質出血、 大脳の白質が主に傷害されるビンスワンガー型白質脳症、多発梗塞性認知症などが含まれます。

②では、局在性病変の部位としては、知的機能に関与する前頭葉、後頭葉、側頭葉、海馬、帯状回、脳梁などにおける梗塞や出血が認知症を顕在化させます。

アルツハイマー型認知症

●アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型は65歳以上の女性に多く、原因は脳の変性であり、ゆっくり進行します(若年型は比較的速く進行します)。自覚症状は無いことが少なくありません。

記憶障害を初発症状とし、次第に見当識障害、計算障害、失語・失行・失認などの巣症状を伴って知的機能の荒廃により人格崩壊をきたし、最終的には臥床状態となる疾患です。

臨床症状は中核症状と周辺症状に分けられます。中核症状は記憶障害、高次皮質機能障害、人格崩壊と行動能力の消失を軸にして、進行によって重層的に重症化していきます。周辺症状はこの中核症状の段階の変化に対応して随伴していろいろな形で出現します。

●アルツハイマー型認知症の3病期

第1期の主症状は記憶障害です。同じことを何回もきいてきたり、物をしまい忘れたり置き忘れたりして大騒ぎで捜しまわり、時には身近にいる家族の仕業ではないかと疑ったりするようになります。このような記憶障害の他、それまでやっていた趣味や日課、社会的な出来事などに対する関心が低下し、複雑な話の理解が困難になってきます。さらに今日が何月何日、何曜日かといった時間に関する見当識に障害がみられます。対人的配慮は保たれ、世間話程度の日常会話はそつなくこなせるので、日常的に本人と接することの無い人が表面的な会話をかわすだけでは障害に気づきません。また、この時期に本人自身がある程度病識をもっていて、人によっては自らの能力低下に対し不安を抱いたり、抑うつ的になったりします。

第2期になると、日常生活遂行障害が目立ってきます。記憶障害は、記憶を保持している時間がより短くなって、数時間前、数分前のことを忘れてしまします。外で道に迷ったり、自分の家にいることがわからなくなって「帰る」と言いだしたりするなど場所に関する見当識障害もみられるようになります。また、それまで使っていた電気器具の使い方が分からなくなり、季節に合った服装を用意できず着衣の仕方がわからなくなるなどの失行もみられるようになってきます。初老期発症のアルツハイマー病では、この時期に筋固縮、姿勢異常、ミオクローヌス、語間代(言葉の中間の音節や終わりの部分に反復する言語障害:「ありがとがとがと…」「わたしたしたし…」など)などの多彩な神経症状や鏡現象(鏡のなかに写った自分の姿に向かって話しかけたり怒ったりする)がみられるのが特徴です。

第3期に至ると、自分の名前まで忘れてしまい、身近にいる家族のことも認識できなくなるなど知能低下は高度になります。人格変化、失禁がみられるようになり、次第に無言・無動となって臥床状態となります。

レビー小体型認知症(DLB)

レビー小体は、異常なたんぱく質が脳の神経細胞内にたまったもので、主に脳幹に現れるとパーキンソン病になり、大脳皮質まで広く及ぶと、レビー小体型認知症になります。ただし、原因は今のところ十分にわかっていません。ゆるやかに進行しますが、経過が速いこともあります。
レビー小体型認知症には、特徴的にあらわれる症状があります。

認知症状は日や時間帯によって調子が変わります(動揺性を示す認知症状)。頭がはっきりしている状態とボーッとしている状態が入れ替わり起こるのも特徴です。朝起床時や昼寝後は調子が悪いことが多いです。

初期には、もの忘れとともに、具体性のある幻視(蛇やネズミが動き回っている、子どもが布団の上に座っているなど)がみられます。それに伴って、妄想や睡眠時の異常な行動があらわれることもあります。

表情の乏しさ(仮面様顔貌)、動きの鈍さ(動作緩慢)、手足や筋肉のこわばり、小股歩行など、身体的症状をきたします。これらはパーキンソン症状といわれるものです。

認知症の治療

●中核症状への薬物治療

認知症を完全に治す治療法はまだありません。そこで、出来るだけ症状を軽くして、進行速度を遅らせることが治療目標となります。アルツハイマー型認知症の中核症状(記憶障害や判断力など、脳の神経細胞が壊れることによって直接起こる症状)の進行をある程度遅らせる治療効果が認められています。

適切な治療をせず、そのまま放置してはいけません。認知症は早期に発見し、早期に適切な治療を始めると、それだけ進行を遅らせることができ、原因によっては回復することも可能です。

●行動・心理症状(BPSD)への薬物治療

行動・心理症状(BPSD)を抑える治療では、一部の抗認知症薬に静穏効果を認められています。また、不眠症には非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、鎮静系抗うつ薬、漢方薬が使用されることがあります。そして、激しい幻覚妄想状態、不穏状態には気分安定薬、抗精神病薬が使用されることもあります。いずれも、患者様にといって、薬を使用することへの利益と不利益とを慎重に検討しなくてはなりません。

●非薬物療法

認知症と診断されても、本人に出来ることはたくさん残っていますので、家庭内で本人の役割や出番をつくって、前向きに日常生活を送ってもらうことが大切です。書き取りやドリルなどの認知リハビリテーションのみならず、昔の出来事を思い出してもらうこと、家族以外の人たちと交流することなども、脳の活性化を促します。

認知症について正しく理解し、偏見を持たず、認知症の人や家族に対して温かい目で見守ることが大切です。認知症は誰でもなる可能性がある病気です。いつ、自分や家族が、あるいは友人や知り合いが認知症になるか分かりません。ですから、人ごととして無関心でいるのではなく、「自分たちの問題である」という認識を持つことが大切です。最初は「さりげなく」「自然に」認知症の人に対応してみましょう。

医院概要
About clinic

小平市の心療内科・精神科

医療法人社団 野苺会 小平仲町クリニック

診療内容
心療内科・精神科/精神保健相談・睡眠相談/もの忘れ相談

住所 〒187-0042 東京都小平市仲町652-1

TEL 042-346-0888

最寄り駅
西武多摩湖線「青梅街道駅」徒歩5分
西武新宿線「小平駅」徒歩16分

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9:30~12:00

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14:00~18:00

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[休診日] 木曜・日曜・祝日

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