うつ病

うつ病について
About Depression

うつ病の社会的問題

精神疾患による寿命・健康ロス(OECD 2002)を評価した報告では、がん全体よりも精神科関連は寿命・健康に多大なロスを与えるとされています。失われた経済的コストの金額評価ですが、イギリスではGDPの2%以上と見積もられています(OECD 2009)。今後、とくに、うつ病は健全な生活を阻害する疾患として注意が促されています。
気分障害の患者数は2007年に100万人を超え、この10年で2.4倍に急増してしまいました。生涯有病率は、単極性うつ病は7%、気分障害全体では9%とされ、気分障害は誰にでも起こる可能性があります。

こんな状態が2週間以上続いたらうつ病を疑う

現代社会はストレスに溢れています。ストレスがうまく解消されないで、心と体のバランスが崩れ、心身に不調をきたすことは誰にも起こり得ます。

眠れない、食欲が無い、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめない、頭が重い、疲れやすい、疲れがとれない――こんな状態が2週間以上続いたら、うつ病かも知れません。単なる気分の問題だなどと考えず、うつ病を疑ってみる必要があります。

うつ病の原因

うつ病の原因は患者様によって千差万別ですが、脳内の神経伝達物質のはたらきが悪くなるのに加え、ストレスや体の病気、環境変化など、さまざまな要因が絡み合って発病すると考えられています。

脳がうまくはたらいてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間のように感じられてしまいます。そのため、普段なら難なく乗り越えられるようなストレスも辛く感じられてしまい、さらに自分をダメに感じてしまうという、悪循環が生じてきます。

治療を早く始めるほど、回復も早い

うつ病の精神症状やうつ病の身体症状はご自身ではなかなか気づきにくいため、周囲の人が先に異変に気づき、遅刻が多い、怠けている、などと誤解され、非難されるようなケースも少なくありません。

一方、体が疲れてどうにも動けない、疲れやすい、能率が著しく下がった、体がついてこないなどの症状で、ご自身が自覚する場合も多いようです。しかし、うつ病患者の多くが、こうした各種身体症状を訴えて一般身体科を受診してしまうことが多いと報告されています。その結果、約8割が適切な診断をされずに放置されてしまっています(三木治、1996)。

こうした状態になったら、一人で悩まず、とにかく早めにご相談ください。治療を早く始めるほど、回復も早いと言われます。

うつ病の症状の代表例

  •  抑うつ気分(憂うつ、気分が重い)
  •  何をしても楽しくない、何にも興味がわかない
  •  疲れているのに眠れない、一日中ねむい、いつもよりかなり早く目が覚める
  •  イライラして、何かにせき立てられているようで落ち着かない
  •  悪いことをしたように感じて自分を責める、自分には価値が無いと思う
  •  思考力が落ちる
  •  死にたくなる など

とくに、最初の2項目はうつ病の中核症状ですので見過ごしてはなりません。

うつ病の治療

うつ病は医学的治療の対象となります。適切な治療さえ受ければ、必ず良い方向に向かっていきます。間違っても、叱咤激励や、性格原因論として取り扱ってはいけません。

現在のうつ病治療は、下記の3つの柱が中心となっています。

  • 休養と環境調整
  • 薬物療法
  • 精神療法

● まずは休養が大切

治療を始める前に、まずは休養を十分にとって、疲れた心と体をしっかり休めることが大切です。そのためには職場や学校、家族の理解と協力を得ることも必要になってくるでしょう。

● うつ病の薬物療法

抗うつ薬によってうつ症状の原因となっている脳内神経伝達物質のバランスの乱れを整えていきます。抗うつ薬には、SSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬)、三環系抗うつ薬などいくつかのグループがあります。抗うつ薬のほかにも、症状に合わせて抗不安薬、睡眠導入剤、非定型抗精神病薬併用療法なども使われます。 どの薬が効くかは治療を受ける患者様一人一人で異なり、また同じ人でも病気がどの段階かによって違ってきます。

また、一般的に抗うつ薬が効果を上げてくるまでには最低2週間程度を要します。焦らずじっくりと治療に取り組むことが大切です。

● うつ病の精神療法

性格的にストレスなどの影響を受けやすい人には、精神療法的なアプローチが効果的です。精神療法(主に心理的側面からのはたらきかけにより精神疾患の治療をする治療法)の中心は認知行動療法で、これは患者様の認知(ものの考え方や受け取り方)の歪み、およびそれに基づく行動を修正して、患者様に生じてくるさまざまな問題を上手に解決出来るように支援する治療法です。

うつ病になりやすい人には、生真面目で責任感が強く、人あたりもよく、したがって周囲の評価も高いタイプが多いと言われます。こうした方はすべてに完璧を求めがちですが、物事に優先順位をつけてうまくやっていくようにするなど、認知を変えていくことも大切です。

当院では患者様のお話をお伺いして、お一人お一人に最適な治療を行っていきます。

医院概要
About clinic

小平市の心療内科・精神科

医療法人社団 野苺会 小平仲町クリニック

診療内容
心療内科・精神科/精神保健相談・睡眠相談/もの忘れ相談

住所 〒187-0042 東京都小平市仲町652-1

TEL 042-346-0888

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西武多摩湖線「青梅街道駅」徒歩5分
西武新宿線「小平駅」徒歩16分

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